平成26年1月13日(月・祝)10:30〜12:00
香川県歯科医師会立 香川県歯科医療専門学校 8020ホール
■リーフレット(PDF)
■申し込み用紙(PDF)
講師:松山 美和
徳島大学大学院
ヘルスバイオサイエンス研究部
口腔保健学講座 口腔機能福祉学分野
みなさんは「8020運動」をご存知でしょうか?歯の健康対策として「80歳になっても自分の歯を20本以上保ちましょう」と提唱される普及啓発運動です。20本以上の歯は臨床的適応能力がある、つまり入れ歯(義歯)を使用しなくても噛める・食べられると考えられています。先日、厚生労働省は平成23年歯科疾患実態調査の結果概要として、この8020達成者が38.3%となり、過去最高だったことを発表しました。現在、80歳の3人に1人以上が自分の歯を20歯以上保っているのです。
本来、永久歯は28本(親知らずを除く)で、上下左右の奥歯(大臼歯)をすべて失っても20本です。前述のように義歯を使用しない場合もありますが、歯科治療では失った歯をブリッジや義歯、インプラントなどで補うことができます。最近の調査研究によれば、臼歯を失った場合の治療の選択肢として、日本人高齢者は何も補綴しない状態やインプラント治療よりも延長ブリッジや金属床義歯を好むことがわかりました。また、患者の見解としては、補綴しない状態は問題がなくても口腔の健康のゴールとしては疑問視することも報告されています。
歯科治療の目的のひとつは、噛むこと(咀嚼)や飲み込むこと(嚥下)、しゃべること(発話)などのお口の機能の改善です。歯を失った場合、噛む能力が低下し、噛む効率も悪くなることが報告されています。さらには、飲み込むはたらきも悪くなります。本講演では、失った歯の部分を放置せずに歯科治療を受けることによる効果、とくに義歯による治療効果について、おもに咀嚼や嚥下などの口腔機能や栄養状態、QOLの改善という視点から考察します。
今現在、食べる楽しみを満喫し、心身の健康を保つことはもちろん大切です。よく噛んで食べる機能を維持することにより、これから先もより長く生き生きとした毎日を過ごし、歯っぴーでいきましょう!! |