コラム・イベント情報と活動報告
コラム「日本人児童1万人調査でネットとう蝕(むし歯)の関連が明らかに 」
富山大学の山田正明准教授と関根道和教授らの研究グループは1月30日、小学生高学年1万人の調査によって、う蝕(むし歯)に関係する要因の一部が明らかになったと発表しました。
これまで小学生のインターネット使用については様々な問題が指摘されていましたが、インターネット使用とむし歯との関連についてはほとんど研究されていなかったそうです。そこで研究グループは、日本の小学生4年生〜6年生におけるインターネットの利用時間や生活習慣、健康、家庭環境などから、むし歯との関係性を調査することを目的に研究を行いました。その結果、“う蝕が多い児童”と生活習慣に関するいくつかの項目との関連をそれぞれ分析したところ、「女子」、「朝食欠食」「遅い就寝」「ブラッシング回数が1日1回以下」「家庭でメディア利用のルールがない」「インターネット依存の児童」という項目において、有意にむし歯の割合が高いことが明らかになったそうです。ここで言う “有意” とは「決して偶然ではなく、注目に値する確率で」ということです。
さらに男女別で分析したところ、それぞれ少し異なる傾向が見られ、男子ではネット依存の項目において、依存なし23.1%、軽度依存29.8%、依存32.3%、であったのに対し、女子では就寝時間が遅くなるにつれて(10 時前24.7%、10〜11時30.5%、11時以降35.8%)、むし歯の割合が階段状に高くなることがわかったそうです。
インターネット依存との関係については、ネット依存の児童でむし歯が多いことが明らかになり、この傾向は女子より男子で強いという結果でした。ちなみに男子はゲーム、女子は SNS がネットの主な使用目的であると言われています。また、「家庭でのメディア利用のルールとむし歯」との関係について見てみると、家庭でのメディア利用のルールがない児童に虫歯が多いことが明らかになったそうです。この原因については、「ルールの有無は、子どもの健康に対する“親の関心”を示しているのではないか」とのことです。
親の関心とは、メディア利用だけでなく、今回の調査では測定していない、食事やおやつの内容、ブラッングのタイミングなど、子どもに対する全般的な関心のことを指します。
今回の研究結果から、毎日の朝食摂取や早い就寝、1日2回以上のブラッシング習慣をもつことはもちろんですが、親がメディア利用を含めた子どもの生活全般に関心をもつことが重要と言えるのではないでしょうか。この研究結果を子育てに反映することで、むし歯リスクが最も高いと言われる小学生高学年のむし歯を減らすことにつながれば良いですね。
イベント情報
「オーラルフレイル対策事業県民公開講座」のお知らせ
日時 | 令和7年3月23日(日) 【イベントコーナー】10:00〜10:30 【公開講座】10:40〜12:00 |
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会場 | 香川県歯科医療専門学校 7 階 8020 ホール |
演題 | オーラルフレイルについて |
講師 | 北海道大学大学院歯学研究院 口腔健康科学講座 予防歯科学教室 教授 岩崎 正則 先生 |
イベント コーナー |
当日は、「お口の機能チェック」を行うイベントコーナーを設けております。 無料でご参加いただけますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。 (舌圧測定、口腔乾燥測定、お口の健康相談、ポスター展示、最新のデジタル歯科技工コーナー) |
対象 | 香川県民 |
定員 | 100名(先着順) |
締切 | 令和7年3月16日(日)必着 |
お申込み・詳細は、香川県歯科医師会特設ページをご覧ください
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