コラム・イベント情報と活動報告
コラム「歯周病とむし歯の両方を有する者で脳卒中リスクが上昇! -アメリカでの研究結果- 」
この度アメリカで、米国民およそ6千人を対象として約21年間、むし歯・歯周病と心筋梗塞や脳梗塞との関係を追跡調査した結果、歯周病とむし歯の両方を有する者は脳卒中リスクが一番上昇し、歯周病のみ有する者が2番目に脳卒中リスクが上昇することがわかりました。
これまで、歯周病とむし歯の両方について心血管疾患リスクに及ぼす影響を検討した研究は、ほとんどありませんでした。そこでアメリカの研究者らは、これらが併存すると、どちらかのみが存在する場合に比べ、心血管疾患のリスクが高くなるという仮説を立て、米国人を対象に検証することにしました。さらに、定期的な歯科受診と口腔衛生状態との関係も調べることにしました。
歯周病が、全身の健康に影響することや脳卒中のリスクを上昇させる可能性があることは今までにも知られています。口腔衛生状態の悪化は、歯周病とむし歯の両方に関係するため、口腔衛生の改善は、脳卒中予防に有用だと考えられています。実際に、定期的に歯科を受診している人は受診頻度が低い人に比べ、虚血性脳卒中の発症率が23%低かったという報告もありました。
5986人のうち1640人は口腔の健康状態が良好で、3151人は歯周病のみを有し、1195人は歯周病とむし歯が併存していました。追跡期間中の脳卒中の発症率はそれぞれ、4.1%、6.9%、10.0%でした。3群の虚血性脳卒中の累積発症率は経時的に上昇していましたが、常に、歯周病とむし歯が併存していた人々が最も高く、続いて歯周病のみを有する人が高く、口腔の健康状態が良好な人は最も低くなっていました。
そして、結果に影響する可能性のある多くの要因を考慮して分析したところ、歯周病とむし歯の併存は、虚血性脳卒中(1.86倍)のリスク上昇と関係していました。虚血性脳卒中の中では、血栓性脳卒中(動脈硬化の進行による虚血性脳卒中:2.27倍)と心原性塞栓性脳卒中(心臓内で形成された血栓が脳動脈に流入することによる虚血性脳卒中、2.58倍)のリスクの有意(偶然とは言えない確率の差のこと)な上昇も見られました。
一方で、歯周病のみを有する人でも、虚血性脳卒中(1.44倍)、血栓性脳卒中(1.81倍)、心原性塞栓性脳卒中(1.82倍)のリスクは有意(偶然とは言えない確率の差のこと)に上昇していました。
なお、定期健診受診者は、症状ある時だけ受診している者に比べ歯周病および歯周病と虫歯になる可能性が低かったこともわかりました。
従って、定期的に歯科でケアを受けることが、口腔衛生の改善を通じて虚血性脳卒中の発症リスクを低下させる可能性が示されたというわけです。
イベント情報
オーラルフレイル対策事業・県民公開講座 開催のお知らせ
| 日時 | 令和8年3月29日(日) 10:00〜11:20 *参加無料 |
|---|---|
| 場所 | 香川県歯科医療専門学校7階「8020ホール」 |
| 講演 | 「オーラルフレイル対策でより良く生きる 〜より良く食べて歯ッピーライフ〜」 |
| 講師 | 昭和医科大学歯学部 口腔健康管理学講座 口腔機能管理学部門 主任教授 古屋 純一 先生 |
| 概要 | 口から食べる楽しみを守ることは、自らの生命と生活を守ることです。その最初の一歩がかかりつけ歯科を持ち、定期的に受診をすることなのです。この県民公開講座では、食事に必要な口腔機能とその重要性について、皆さんと一緒にあらためて考えてみたいと思います。オーラルフレイル対策で口から食べる楽しみをいつまでも守りましょう! |
| 申込方法 | 香川県歯科医師会ホームページから https://www.kashi.or.jp/koukai_kouza/index_20260329.html |
| 申込締切 | 令和8年3月22日(日)必着 |
*駐車台数に限りがありますので、できる限り公共交通機関をご利用ください。
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