コラム・イベント情報と活動報告
コラム「幼児で “歯磨き回数”と“便秘” が関連していた! 」
東北大学は今年3月に、環境省が実施している子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)のおよそ8万組の母子を対象に、機能性便秘(べんぴ)の有無と、毎日の歯磨き回数(2歳、4歳時点)との関連について分析し、結果を公表しました。
過敏性腸症候群(腸に異常が認められないのに、下痢や便秘などの便通の異常を繰り返す疾患)などの消化器疾患患者で重度の歯周炎が認められたことから、近年では口腔内細菌叢(こうくうないさいきんそう)と腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)の密接な関連が注目され、研究されています。昔から、食事の際の咀嚼(そしゃく)やガムを噛む(かむ)ことなどによってお口の中の刺激を行うと、腸の運動が促進され、排便を改善することがわかっていて、臨床的にもリハビリなどで応用されていたようです。また、脊髄を損傷した患者に対して1日2回、5分間の専門的歯磨きを行うことで、重度の機能性便秘が改善したという報告もあるそうです。
この調査では、母親の出産年齢や回数、喫煙・飲酒歴および子どもの食事回数やカウプ指数など機能性便秘と関連する他の要因について調整したうえで、毎日の歯磨き習慣と子どもの機能性便秘との関係を分析しました。そうした結果、日常的な歯磨き回数が少なくなればなるほど機能性便秘となる子供が多かったとのことです。ただし、今回の研究では機能性便秘の治療歴や家庭でのトイレトレーニング、野菜の摂取量などについての情報は加味されていなかったため、さらなる研究の必要性も述べています。
今回は幼児に限っての話ではありますが、噛むことだけでなく歯磨きすることでも便通を促す可能性があることがわかった今、便秘がちな方は歯磨き回数を増やすことも試みてはいかがでしょうか?
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