コラム・イベント情報と活動報告
コラム「皆さん、『感染の窓』って知っていますか? 」
無菌に近い胎児のお口の中は出産を機に外界との接触により様々な細菌で急速に覆われていくことになります。授乳の仕方や保育者とのかかわり、その後の食事の内容はもちろん、生後6か月前後の乳歯の萌出や6歳ごろの永久歯の生え変わりや接する相手の多様化など様々な環境変化が口腔細菌叢(口腔内フローラ)に大きな影響を及ぼしていると考えられています。
人間のお口の中には、300〜700種類の細菌が生息しているといわれています。母親のお腹にいる胎児は無菌状態であり、お口の中に細菌は存在しませんが、生まれてから母親などの身近な人から細菌が移り、3歳頃までにお口の中の細菌バランスが決まるとされていました。これらの細菌のうち虫歯の発生に関係するミュータンス菌がお口の中に定着しやすい期間のことを「感染の窓」と呼び、1歳7か月から2歳7か月がこれに当たります。
このお口の中の細菌叢(様々な種類の細菌の数のバランス)がおおよそ決まるのが3歳までとする研究結果をサンスターが昨年11月に発表しました。2015年〜17年に生まれた子どもと両親を対象に唾液を採取し、次世代シークエンサーというものを用いて口腔細菌叢の経時変化を解析したそうです。85%以上の大人(両親)から検出された菌種を大人の主要な口腔細菌叢として子どもからの検出率の推移を調査した結果、生後6か月〜1歳半に細菌の検出率が急速に増加し、1歳半で約8割、3歳で約9割を検出。3〜5歳に大きな変化はなく、3歳までに大人の口腔内細菌叢の主要な菌種がお口の中に定着していることが判明しました。そして、5歳の口腔内細菌叢は大人と同様な口腔内細菌叢が形成されていることがわかりました。
これにより、3歳までの時期に両親が子どもに接する際に細菌が移らなくするような工夫が必要なことが再認識されました。つまりは、乳幼児に接する大人のお口の中の細菌数を減らすような努力も必要と言えるかもしれませんね。
イベント情報
香川県歯科医療専門学校一般入試のお知らせ
香川県歯科医師会立香川県歯科医療専門学校では1月26日(日)に一般入試を行います。
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詳しくは、香川県歯科医療専門学校ホームページをご覧ください。
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