コラム・イベント情報と活動報告
コラム「保険適用の歯周病治療「リグロス(歯周組織再生療法)」とは? 」
日本人が歯を失う原因で一番多いのは何だと思いますか?実は「むし歯」ではなく「歯周病」なんです。歯周病は、昔は「歯槽膿漏」と呼ばれていて、進行すると、歯周病菌による歯ぐきの炎症によって、歯を支える周りの骨(歯槽骨)が徐々に溶かされて、最後には歯を支えられなくなります。そして歯槽骨は、風邪を引いた後の鼻や喉とはちがって、一度溶かされると自然と元の状態に戻るということはありません。
そこで、歯周組織の破壊をくい止める治療として脚光を浴びたのが、歯周組織の細胞を再生させる歯周病治療薬「リグロス」です。
リグロスには血管をつくる作用があり、血管が再生されることで失われた歯周組織に栄養が補給できるようになり、歯周組織も再生されていくわけです。その結果、歯周病が進んでぐらついている歯もしっかり支えられて、治療前に比べてよく噛めるようになります。
リグロスは日本で開発され、2016年に厚生労働省の認可を受けてからこれまでの間にも多くの治療が行われています。歯科以外では、やけどや床ずれなど、皮膚を再生させる際の治療にも使用されている安全性の高い薬剤です。 歯周病の原因となる歯石を徹底的に取り除いて症状の改善をめざすのが歯周病治療の基本ではありますが、重度になると、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットの奥深くまでに歯石が生じるので、歯ぐきを切開して、歯石を取り除く「フラップ手術」を行う必要があります。
「リグロス」はフラップ手術を行い、歯石や病的な組織を徹底的に取り除いた後で、きれいになった欠損部分に塗布してその部分の組織の再生を促すものです。個人差はありますが、数カ月から1年程度かけて組織は再生されます。ただし、どのような程度の歯周病でも適用されるわけではなく、歯を支える歯槽骨が部分的に溶けてなくなっている場合に限られます。
リグロスは2016年から保険が適用されるようになりました。これまでの再生療法というと、保険が効かずに高額な治療となっていましたが、リグロスなら費用の心配をあまりすることなく、今まで以上に治療が受けられるようになってきました。リグロスを使った治療を行うことで、進行をくい止められなかった歯周病でも、進行を止めて、歯を残せるケースが増えてきたのは事実です。しかし、外科手術を伴う治療法ですので、歯周病の進行具合や手術のしにくい場所など、手術の難易度から治療効果が十分見込めない場合もあります。それから、リグロスはトップアスリートの方に行われるドーピング検査では禁止薬剤となっていますので、該当する方は注意しましょう。よって、歯周病治療に関してもかかりつけ歯科医と十分相談してから治療方法を選択するようにしましょう。
イベント情報
香川県歯科医療専門学校一般入試U期募集のお知らせ
香川県歯科医師会立香川県歯科医療専門学校では3月9日(日)に一般入試U期募集を行います。
これが最後の受験のチャンスです。
願書受付は2月21日(金)〜3月3日(月)必着となっています。
高齢社会で需要の高い歯科衛生士、歯科技工士を目指すなら香川県歯科医療専門学校へ。
詳しくは、香川県歯科医療専門学校ホームページをご覧ください。
オーラルフレイル対策事業県民公開講座のお知らせ
日時 | 令和7年3月23日(日) 【イベントコーナー】10:00〜10:30 【公開講座】10:40〜12:00 |
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会場 | 香川県歯科医療専門学校 7 階 8020 ホール |
演題 | オーラルフレイルについて |
講師 | 北海道大学大学院歯学研究院 口腔健康科学講座 予防歯科学教室 教授 岩崎 正則 先生 |
イベントコーナー | 当日は、「お口の機能チェック」を行うイベントコーナーを設けております。 無料でご参加いただけますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。 (舌圧測定、口腔乾燥測定、お口の健康相談、ポスター展示、最新のデジタル歯科技工コーナー) |
対象 | 香川県民 |
定員 | 100名(先着順) |
締切 | 令和7年3月16日(日)必着 |
お申込み・詳細は、香川県歯科医師会特設ページをご覧ください
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